学童保育およびがくほれん with 酒田についてのQ&Aをまとめました。

第1章 学童保育の基礎知識

Q1:学童保育って何ですか?

共働きや一人親家庭の子どもたちは、小学校から帰った後の放課後や夏休みなどの学校休業日は、子どもたちだけで過ごすことになります。そうした子どもたちに、安心して過ごせる遊びや生活の場を提供することを通して、親の仕事と子育ての両立をサポートするのが学童保育です。

Q2:学童保育の実施状況はどうなっていますか?

  1. 全国の学童保育
  • 全国の学童保育は、令和6年度で24,536か所となり、利用児童数は1466万人となります。
  • 運営形態は、公営が26.0%、社会福祉協議会10.1%、地域運営委員会10.1%、父母会・保護者会2.8%、NPO法人が10.3%、民間企業18.1%、その他法人等22.7%となっています。
  • 開設場所は、学校施設内が56.7%、児童館9.1%、学童保育専用施設7.8%、その他の公的施設5.8%、法人等の施設7.3%、民家・アパート5.9%、店舗・集会所等9.7%となっています。
  1. 山形県の学童保育
  • 山形県内では、令和6年度で224の小学校数に対し、324の学童保育が開設されています。
  1. 酒田市の学童保育
  • 酒田市内では、令和6年度で25か所に1,303名の入所となっており、そのうちの16施設が「特定非営利活動法人(NPO法人)がくほれんwith酒田」に委託され、入所児童数では、1,015名、77.9%が、がくほれんwith酒田に所属しています。
  1. 現在の状況

少子化が進む一方で、共働きや一人親家庭は増加傾向にあり、学童保育に対するニーズは依然として多く、地域によっては入所待機を余儀なくされている状況です。また、少子化により放課後に遊ぶ友達がいなかったり、不審者の出没や痛ましい事故が多発したりなど、子どもたち取り巻く環境は悪化しています。 こうした状況の中、学童保育は、子どもたちが安心して過ごせる「居場所」として、地域にとって必要不可欠な社会資源となっています。

Q3:学童保育で子どもたちはどんな生活をしているのですか?

学童保育に「ただいま」と帰ってくる子どもたちの多くは、低学年のまだまだ大人の援助が必要な子どもです。

 子どもたちは一人ひとり年齢や生活環境が違い、興味や関心、やりたいことも様々です。

子どもたちは、学校でのいろいろな出来事・思いを抱えて「第2の家庭」である学童保育に帰ってきます。小学校の授業から放たれてやっと自分の自由になる時間が放課後です。

 多くの学童保育では、異年齢の子どもたちが「昼間の兄弟」として集団で生活しています。学童保育での生活の大部分は遊びですが、本読みや工作、学校の課題や行事への取り組みなどの活動をしているところもあります。

 体調が悪いときには、保護者と連絡を取りながら静養したり、病院に行くこともあります。

塾や習い事があれば指導員に伝えてでかけるときもあります。

 大勢の子どもたちの生活が安全でスムーズに運営され、一人ひとりが安心して楽しく生活できるように指導員が援助しています。

Q4:指導員の仕事、保護者の役割はどうなっていますか?

  1. 指導員の仕事

学童保育が「子どもたちが安心して過ごせる遊びや生活の場」という観点でみると、指導員には様々な仕事があります。

子どもたち一人ひとりが、安全で生き生きとした放課後を送れるように、それぞれの年齢にふさわしい「養護」を含めた基礎的な生活を、子どもたちと一緒に作ることが土台となります。

まずは、学校から帰ってきた子どもたちがくつろいで、安心してやりたいことができるように、安全や衛生に配慮しながら生活環境を整えることがまず必要です。

加えて、子どもたちの身体の安全や健康面の管理、身辺の整理や時間の使い方、学童保育での生活全体に気を配り、子どもたちが見通しを持って学童保育の生活ができるように援助します。

そしてなによりも、「子どもにとって今何が必要なのか」を、一人ひとりの特性や生活環境等を踏まえて、時には見守ったりする姿勢を持ちながら指導にあたることを心掛けています。

また、子どもたちの生活の様子を保護者と共有して良好な関係づくりすること、学校や地域との連携等も大事な仕事です。

  1. 保護者の役割

核家族化が進行する中、保護者は仕事と子育てに日々奮闘しています。一方で、子どもたちも多くのストレスを感じながら生活をしていることを、昨今の事件等でうかがい知ることができます。こういう時代だからこそ、学童保育で知り合う保護者同士、指導員との話し合いが大切になっています。

職場や職業が異なる保護者が、わが子に豊かな放課後の生活をさせたいという共通の願いを語り合うことによって、自分だけが悩んでいたと思っていたことが、同じ悩みの保護者が多いことに気づきます。そして子どもと向かい合うときの自分の変化、新鮮な感情に気づきます。それは、子どもを通して学んだ人間性の高まりなのかもしれません。

そして、もっとわが子に豊かな放課後の生活をさせたい、という保護者の願いを語れる場が保護者会です。保護者会があることによって継続的に語り合うことができ、一人では解決できないことでも、話し合いの中で打開策を見出すことができます。みんなの願いを束ねることも保護者会の役割のひとつです。

<保護者会に期待する役割>

〇学童保育の運営への参画

学童保育の運営方針や活動内容について、運営側(指導員など)と連携しながら意見交換を行い、より良い学童保育の実現を目指します。

〇行事等の企画・運営

 季節の行事や親子レクなど、子どもたちが楽しめるイベントを企画・運営することで、学童保育生活をより豊かなものにします。

〇保護者間の交流

保護者同士が交流を深める場を提供し、子育てに関する情報交換や相談、親睦を深めることで、保護者の孤立を防ぎ、子育てを支え合う関係を築きます。

〇学童保育と保護者の連携

学童保育と保護者のパイプ役となり、両者の連携を強化します。これにより、学童保育での子どもの様子を保護者が把握しやすくなったり、保護者の要望を学童保育に伝えやすくなったりする効果があります。

保護者会の活動は、学童保育の質を向上させ、子どもたちの健やかな成長を支える上で重要な役割を果たしています。

第2章 酒田市の学童保育とNPO法人について

Q5:酒田市学童保育連絡協議会(以下市連協)って何ですか? 「特定非営利活動法人(NPO法人)がくほれんwith酒田」(以下法人)って何ですか?

  1. 酒田市の学童保育

平成13年4月、酒田市が学童保育を「放課後児童健全育成事業」として位置づけて事業の実施主体となり、それまでの地域運営委員会への補助方式から統一運営体もしくは法人への委託方式に変更されました。これに合わせて統一運営体として「酒田市学童保育連合会」が設立され、6学童の運営を受託しました。

その後、平成19年4月からは、指定管理者制度が導入され、公募による管理者の選定が行われています。

  1. 「市連協」と「NPO法人がくほれん」について

☆「酒田市学童保育連絡協議会(市連協)」は、酒田市に設置されている25学童保育で構成し、主に学童保育での研修や、全国・山形県の学童保育研修会の情報交換、行政との連絡等を行います。

☆「NPO法人がくほれんwith酒田」は、酒田市が設置する16学童保育所(浜田、亀ケ崎第1、亀ケ崎第2、松陵、泉第1、泉第2、松原第1、松原第2、富士見、若浜第1、若浜第2、琢成、宮野浦第1、宮野浦第2、平田、南平田)の指定管理者として、公平性・透明性を保ちながら学童保育を運営し、学童保育の質的向上を目指していくものです。

☆がくほれん以外の9学童保育(十坂、西荒瀬、新堀、八幡、広野、鳥海、浜中、松山、黒森)

Q6:なぜ統一運営からNPO法人になったのですか?

<統一運営前>

 統一運営以前、学童保育(当時は6か所)は、それぞれ酒田市からの補助金を運営費の一部としてもらい運営してきましたが、その補助金による運営は極めて不安定な運営でした。

 そこで行政に「補助金の増額」の陳情を毎年行ってきました。平成12年の陳情の際に、市長から「補助金方式」ではなく、「委託方式」にすれば国・県の委託金があることを言われ、委託契約を結ぶための条件が示されました。

① NPO法人
② 社会福祉法人
③ 統一運営
④ 現在のままで学童保育ごとに委託 

の選択肢のうち、検討の結果「統一運営」が選択されました。 また、その当時の地域運営委員会方式の問題点として次の事があげられていました。

  1. 学童保育間の格差の問題

保育料や開所時間、指導員の勤務条件、指導内容などにばらつきがありました。

  1. 財政上の格差の問題

学校施設内や酒田市の施設に開設されている学童保育もあれば、建物の返済金や借地料を返済しながら運営している学童保育もあり、保育環境はまちまちでした。

返済金を抱える学童保育は常に厳しい財政運営を強いられ、また、地域の少子化で児童数の減少が予想される学童保育は運営費の60%以上が保育料のため、今後の運営が心配されていました。

数年後はもちろん、年度末を迎えるまで見通しが立たない、いわばその年暮らしの不安定な運営の学童保育ばかりでした。

  1. 指導員の身分保障(賃金・労働条件など)の問題

指導員の賃金は低く抑えられ、また不安定な運営と見通しのため、定期昇給なども行えず、過去には指導員が引き抜きにあったこともあると聞いています。

子どもたちが安心して心を開き健全な放課後の生活を過ごすには、指導員が長年にわたり雇用環境に憂いなく働いてくれることがなによりも大切でした。

<統一運営>

これらの問題を解決するために、平成13年に「酒田市学童保育連合会(通称:学保連)」を設立し、統一運営を行いました。これにより「学保連」は酒田市の事業とされ、国・県の委託金を受けることが出来るようになりましたが、任意の団体には変わりはなく、不安定な組織のまま運営をしてまいりました。

また統一運営当初より、行政からは「いずれは法人化を目指してほしい」という要望があり、「法人化」の検討を継続していました。

NPO法人へ>

平成19年度「指定管理者制度」が導入され、平成19年度から23年度までの委託契約を締結しました。平成21年度には「学保連」の学童保育所は11か所になりましたが、その間、平成24年に、再度契約を締結するために

          ・「指定管理者」として堪えうる組織

          ・地域社会からの信頼性・認知性を考慮

          ・地域住民、保護者、ボランティアから運営されていること

          ・営利を目的としている団体ではない

等の観点から、平成23年2月、「特定非営利活動法人がくほれんwith酒田」を設立いたしました。

Q7:法人の組織はどのようになっていますか?

法人は、総会・理事会・評議会・事務局で構成します。

  1. 総会
    法人の最高決議機関として会員で構成します。
  2. 理事会
    業務の執行機関として、総会提出議案の作成や重要事案の決定を行います。
  3. 評議会
    法人運営全般に係る指導、提案、助言等を行います。

Q8:法人と単位学童保育保護者会との関係はどうなっていますか?

日常的な各学童保育の運営は、各学童保育の運営委員会と保護者会が行っています。

 各学童保育が独自性を発揮して、運営や行事を行うことが出来ます。しかし、酒田市が委託している事業が、法人に一括して委託されていますから、例えば指導員の雇用は法人になっていますし、指導員の給料等の支払いは法人が行い、その任免も法人で行っています。

 ですから、各学童保育では、酒田市に対する委託金の請求事務や給与関係等の会計事務、指導員の配置計画等を行う必要はありませんし、給与の支払いで頭を悩ます事はなくなっています。

Q9:法人運営によるデメリットはありますか?

法人運営によって、保護者の運営に対する意識の低下が懸念されていましたが、「酒田市における学童保育のあゆみ」などにより成り立ちを理解してもらうことと、組織体制の改善により少しずつ解消されていくと思われます

Q10:法人運営によるメリットはありますか?

指導員は、研修や交流の場が増え、指導内容の充実に努めることができます。

 また、法人からの配分金の中に教材費があり、計画的に子ども達のために運営費を使えるようになり、さらに、高額な施設整備費は法人が支出することになり、運営費を圧迫することはなくなりました。法人会計においても、長期的な運営の安定を展望することができ、指導員の身分保障の安定化が図られるようになりました。

 さらに、運営に対する情報の公開と共有化、原因の究明、およびルール化が図られ標準化ができるようになりました。

Q11:法人運営となって学童保育の会計事務負担は軽減されたのですか?

各学童保育の会計事務として大きなウェイトを占めていた指導員の給与事務処理を法人が行うことにより、保護者会の負担が大幅に緩和されています。専門的な知識を必要とする指導員の社会保険や雇用保険などの事務や指導員の採用等は、法人が一括して行っています。

第3章 学童保育の活動について

Q12:保護者会の役割と活動、指導員との関わりはどのようになりますか?「共同保育」って何ですか?

Q4やQ8でもふれましたが、学童保育を運営するのは地域を代表する皆さんで構成する運営委員会と保護者会です。運営委員会には保護者の代表者が入り、保護者会は保護者全員で構成され、それぞれの立場で各学童の運営に当たっています。これは、「子育ての主役は保護者」ということです。保護者会があることにより、親同士が知り合い仲良くなり、働きながらの子育てを支えあう事になります。

 家庭での我が子の様子と、学童保育での「異年齢集団」の中での様子とは違う時があります。昼間、我が子を親の代わりに見ていてくれる指導員を、子育てのパートナーとしてコミュニケーションをとり、手をつなぐ事は、学童保育での子どもの生活を安定させる事はもちろんのこと、子どものこれからの健やかな成長につながることでもあり、親自身が安心して働けることでもあります。子どもの事を保護者と指導員が一緒に受け止める努力をして信頼関係を築く事が大切です。

 「共同保育」とは、保護者同士が「お互い様」という気持ちで自分の子も他の家庭の子も一緒に育てていくと言う事と、保護者と指導員が互いに理解を深め合い学童保育を通しての子育てをすると言う事です。

Q13:学童保育の行事は何のためにあるのでしょうか? 学校行事や地区でも同じような行事をしていて、結構忙しいのですが?

学童保育の行事は、多くは子ども達にできるだけ楽しい学童保育生活を送らせたいという思いをもって企画されています。中には、財政活動のひとつとしてバザーをすることもあります。 

さて、学童保育は子どもの施設ですので、子供同士のトラブルは日常茶飯事です。しかし、多くはたわいない子ども同士のトラブルであったりします。

親同士が知り合っていればとくに問題にならないことも、親同士が顔も知らないと、そこでトラブルになったりします。学童保育の保護者会の人数規模は、学校のPTAなどから比べても小さく、顔と名前が一致する人間関係になります。そのきっかけ作りが、学童保育の行事であり目的の一つでしょう。

また、学童保育の行事を通して、いろんな親のいろんな面が見えてきたり、同じ係をしながら職場や子育ての悩みが話せたりと、はじめはいやいや受けていた係だったのが、終わってみると新しい友達がたくさんできていた、という体験をもつ保護者は多くいます。

学童保育では、年齢や社会的立場は関係ありません。気楽に仕事や子育て、家事のことなど、悩みや本音を出し合える仲間を、行事を通して作りましょう。

また、日々の忙しさで子ども達とのふれあいは、つい後回しになりがちですが、行事に参加することで子どもの成長に気づく事もあります。

行事をおこなう事で大事にしたいことは、一人ひとりの大変な思いや努力を共有する時に生まれる連帯感、学童保育で子どもを育てる親としての共感関係を作る事です。また、目的や意義だけでなく、保護者や子どもの実態や要求を大事にしながら、一人ひとりの保護者が持ち味を発揮できるような準備と段取りで、余裕を持って取り組むことが大切です。